自分に合った業界を把握し、しっかりと個別企業の情報収集を行う中で、もしも運命を感じる会社と出合ったなら……。自分の目指す幸せなキャリアが、その会社で働くことで得られるかどうか、改めて再確認しましょう。その上で、あなたの答えがYESなのであれば、いよいよ本格的な転職活動のスタートです。今週は、転職活動の山場ともいえる入社面接に臨む際に、注意しておくべき3つのポイントについて解説していきます。
まずひとつ目は「面接に臨む表情」です。僕はこれまで何度も面接官を担当してきましたが、最初に見るのは面接場所に入社希望者が入室してきたときの表情。動物行動学と人間行動学に関する啓蒙的な著作で知られるデズモンド・モリス氏が提唱する行動学「マンウォッチング」によると、「最初の数分間で、人間は人の印象の70%を決定してしまう」と言います。好印象を持ってもらうためには、いかに第一印象が大切かということです。売れるセールスマンほど、よく笑顔のトレーニングをしているという話もよく聞きますよね。どんな交渉事でも、最初に下駄を履けたほうがやはり有利なのです。この好印象を与える表情というのは、その人の個性や面接官のタイプにもよりますので一概には言えませんが、ぜひ自分なりのよい表情というものを研究してみてください。そして自分なりに自信の持てる表情で面接に臨むべきだと思います。参考までに、特に僕が注意して見ているのは、その人が持っている目の力です。
ふたつ目のポイントは「自己肯定感のあるプレゼンテーション」。自分が経てきたキャリアをしっかりと肯定して、プレゼンテーションをすることを心がけてください。「自分には高い能力があるのに、社内ではなぜか恵まれなくて冷遇されてきた」など、いくら能力があったとしても、そんな後ろ向きの理由で転職したいという人を僕は採用したいとは思いませんし、ご自身が面接官であったとしてもそう思うのではないでしょうか?面接に限らずですが、自己肯定感のない人にはチャンスが訪れにくいものだと思います。そういった意味でも、自己キャリアをしっかり肯定できることは面接の際には大切なことなのです。
最後のポイントは「聞きたいことは遠慮なく聞く」ということ。本コラム第17回で詳しくご説明しましたが、入社を希望する会社の2次情報、1.5次情報、1次情報をしっかり収集して、それらに対し「健全なる懐疑性」をもって、自分なりにしっかり情報解析ができたとしても、その会社に対するいくつかの問題意識が残されていると思います。この問題意識を解決する場が、入社面接であるということを理解しておいてください。
そして、自分が抱いている問題意識を解決するためには、それが多少失礼かもと思われる内容であったとしても、必ず聞いておくべき。僕は、良い就職するためのコツとして、自分も会社も対等であるという考え方をすべきだと思うのです。本当の自分を隠して何とかその会社にもぐりこめたとしても、それではきっと不幸な結果になるのではないでしょうか。昨今、求人を行っている会社も、「リアリスティック・ジョブ・プレビュー(Realistic Job Preview)」という考え方にもとづき、会社の「良いところ」も「厳しいところ」もきちんと入社希望者に伝えた上で、本人の自己選択に基づいて会社を選んでもらおうという考え方をしているところが増えてきているようです。本音ベースでお互いを理解し合うほったほうが、会社側にとっても求職者側にとっても、入社後のミスマッチを軽減させることができます。転職活動をおこなうときには不安もありますし、まずは「合格したい」という気持ちが先立つのは人情だと思います。しかし、新卒の就職活動と違って、すでに仕事を経験し、将来のキャリアをより充実したものにしていこうというが転職活動ですから、ここは気持ちを強く持って面接に臨みたいところです。
来週は面接時の注意点について後編をお届けします。

