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“キャリア力”をつければ仕事はもっと楽しくなる!
「のだみ流・働(はた)(らく)論!」

第18回 大人の「就活」

  • 頭を柔軟に、ワクワクしながら情報収集をする。
  • 時間を味方にした意思決定をする。
  • 「就活」を趣味にしてもいい。

そろそろ来年度に卒業を控えた学生たちは通称「就活」、つまり就職活動をスタートさせる時期となりました。活動時期もどんどん前倒しになっていますし、インターネットが無かった十数年前と比べてみるとさまざまな意味で隔世の感があります。

最近の学生たちの「就活」をみて感じるのは、情報を得るためのメディアの種類、流通する情報量・質が、我々の世代より遥かに充実していることです。そこで僕は、転職を検討している人には現代の学生たちの就職活動を参考にしてみることをオススメします。これを大人の「就活」と呼んでいますが、今週はそのプロセスをご紹介しましょう。

まず、学生たちは「就活」の手始めとして、新卒採用サイトに個人情報を登録します。登録を済ませると、サイトに掲載されている興味のありそうな業種や企業情報にアクセスしていきます。当然新卒向けですから、未経験者をターゲットに情報が編集されていますので、業界事情や各社の仕事内容がたいへんわかりやすく丁寧に説明されています。社会人も活用したいところですが、残念ながら新卒サイトは「社会人の登録お断り」が原則。もしもご家族や親戚、後輩などに大学生がいるならば、ぜひ一緒に使わせてもらいましょう。インターネットで情報を得ることが難しい場合は、書店で就職活動用の書籍や雑誌に目を通してみてください。これらも未経験者向けにわかりやすく書かれており、業界経験者の方が読んでも十分に役立つ内容のものがたくさんあります。

さて、私たち社会人は実際には中途採用のサイトにアクセスすることになりますが、学生に戻った気持ちで、できるだけ多くの企業を検索してみましょう。検索するうえで大切したいのが、これまでに在籍していた会社の業種や職種よりも「ワクワク感」です。例えば僕の場合、転職を希望しているわけではないですが、オーディオが好きなのでオーディオをキーワードにさまざまな企業情報にアクセスしてワクワクしています(笑)。もし沖縄という地域が好きな人はそれをキーワードに検索をしてみてもよいでしょう。そこから「好奇心芋づる式」にいろんな企業情報にアクセスしてみるのです。自分がワクワクできる興味の延長には、想像していたよりもたくさんの企業が存在し、人材募集をしていることにきっと驚かれることと思います。ぜひ実践してみてください。

ここで大切なポイントは「好奇心芋づる式」に企業情報を検索して、自分の興味の範囲を広げること。そして、そのログを自分自身のマインドマップとして紙に書いて残しておくことです。この結果を眺めてみると、自分の志向を認識するのに役立ちます。

中途採用のサイトは本来、近い将来に転職を考えている人のために用意されたサービスです。しかし今現在、転職の意向が無くても、たくさんの会社情報に触れているうちに自分のやりたいことが見つかったり、運命の会社情報と出合えることもあるのです。実際に趣味的に求人情報を閲覧していて、ある企業情報に触れたことで転職行動を起こし、すばらしいキャリアを積み重ねている人もいます。そういった意味で、転職サイトの企業情報閲覧を趣味として継続することも、将来のキャリア設計に役立つといえるでしょう。

また、大人の「就活」には、学生の「就活」とは違ってふたつのアドバンテージがあります。ひとつは「経済力があること」。学生時代は時間に余裕はあっても経済力には限界があります。ですから、実際に遠方の会社を見学に行ったり、その会社の人たちが集まる場所で情報収集するという一次情報(第17回参照)の収集が難しいと思います。ここは経済力というアドバンテージを生かした有効な情報収集をしてみましょう。もうひとつは「時期を自分で決められること」。つまり中途採用の場合、卒業・入社の時期が明確に決まっている新卒とは違って、自分で入社のタイミングを決めることができます。また、中途採用のサイトには、自分が転職したい会社が求人活動を始めると、メールで知らせてくれる機能がついているものもありますから、じっくりと転職のタイミングを待つこともできます。ぜひ「時間を味方につける」という考え方も大切にしてください。

この大人の「就活」は、趣味的感覚で定期的に繰り返して実践してみてほしいと思います。自分のキャリアを充実させることが目的ですが、求人情報を読み込むことによって、いろいろな社会・経済情勢を推察できるというメリットもあります。ぜひトライしてみてください。

来週は、転職活動の山場であり、多くの方が悩んでしまう面接について解説していきます。

●Profile

野田 稔 (Minoru NODA)

多摩大学経営情報学部教授/(株)リクルート フェロー。

1981年、野村総合研究所入社。同社にて組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネージャーを勤める。経営コンサルティング一部長を経て、現職。 また、(株)アミューズに所属し、テレビ・ラジオ出演、著作・講演活動等でも活躍中。著書に 『やる気を引き出す成果主義ムダに厳しい成果主義』(青春出版社)、『コミットメントを引き出すマネジメント―社員を本気にさせる7つの法則』(PHP研究所)など多数。多くの企業、組織から研修講師などを務め、年間平均200本ものセッションをこなす人気コンサルタント。日本全国を飛び回る日々は続く。

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