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“キャリア力”をつければ仕事はもっと楽しくなる!
「のだみ流・働(はた)(らく)論!」

第15回 キャリア・メンターをつくろう

  • メンターとは、仕事や人生に効果的なアドバイスをしてくれる人。
  • 「父性型メンター」と「母性型メンター」。
  • 最低一人は社外のメンターをつくっておく。

あなたには、キャリアのことや今の仕事の悩み、あるいは自分自身のことを相談できるメンターがいますか? メンターとは、仕事や人生に効果的なアドバイスをしてくれる人のことを指します。

仕事がうまくいかなかったり、職場の人間関係にうまく折り合いがつけられなくて悩むことは誰にでもあることです。そのときに自分を客観的に見てくれて、違った観点からアドバイスをくれるメンターがいるかいないかによって、あなたのキャリアはまったく違ったものになる可能性があります。

では、どういう人がメンターとして望ましいのでしょうか?

まず「父性型メンター」か「母性型メンター」かという選択があります。家族社会学という学問分野では、子どもの育成には厳しい父性と優しい母性の両方がバランスよく共存していることが大切とされています。もちろん、ひとりの親が両方を担当することも可能です。キャリアの世界も同じで、厳しく理性的な父性型メンターと、いつでも自分を無条件に受け入れ共感してくれる母性型メンターがいます。

キャリア力をつけていく上では、「原因は何なんだ!」「だったらお前はどうするんだ!」と叱咤してくれる厳しい父性型メンターが絶対に必要です。そんな父性型メンターのおかげで成長できたという人はたくさんいます。しかし、僕が一番言いたいのは父性だけでは足りないということです。

必ずしも正論が絶対とは限りません。多くの場合、正論どおりにいかないから悩むわけです。その悩みにまず共感してくれる人でないと、相談しても前には進めないですよね。もしも、あなたが自分を厳しく追い詰めるタイプであるならば母性型メンターが必要で、逆に意志が弱く状況に流されやすいタイプであるなら父性型メンターが必要でしょう。もちろん、両方いてくれるに越したことはありませんが、今の自分にはどちらのメンターが必要なのかをまず考えてみてください。ちなみにシンクタンクに勤務していた時の僕は、思い切り自分を追い詰めるタイプでしたから迷わず母性型メンターを探しました。そして、自分がへこたれないようにするために、「いつも褒めて」とお願いしていました(笑)。この人には本当に感謝していますし、とても有意義なアドバイスもたくさんいただきました。

次に「社内メンター」か「社外メンター」かという選択があります。キャリアが浅いうちは社外のメンターを持つことを僕はオススメしています。社内ももちろん大切ですが、ひとつ間違えばどんどん内側にこもっていってしまいます。「社外にそんな人をどうやって見つけるのか?」という疑問もあると思いますが、あまり難しく考えないでください。別の会社で働いている学生時代の同級生、先輩、そして恩師といえる先生などにメンターになってもらえばいいのです。積極的に同窓会を開いて社外にメンターをつくり出している人もいます。

また、社外メンターは転職のとき、とても力強い存在となります。今の会社でやりたいことが実現するのか、転職しないとそれは難しいのか……。自分だけの判断よりも社外メンターの客観的な視点があれば、よりはっきりとその答えが見えてくると思うのです。

重要なことは、今の自分に必要なメンターのタイプを見極めることです。キャリアとは、あなたの人生が続いていく以上、積み重ね続けていくもの。幸せなキャリアを築くためには、自分の進んでいる方向を確認してくれたり、ときには修正してくれるメンターという装置をつくっておくことがとても大切なのです。

来週は、転職後に「しまった!」と後悔しないための業界選びについて解説していきます。

●Profile

野田 稔 (Minoru NODA)

多摩大学経営情報学部教授/(株)リクルート フェロー。

1981年、野村総合研究所入社。同社にて組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネージャーを勤める。経営コンサルティング一部長を経て、現職。 また、(株)アミューズに所属し、テレビ・ラジオ出演、著作・講演活動等でも活躍中。著書に 『やる気を引き出す成果主義ムダに厳しい成果主義』(青春出版社)、『コミットメントを引き出すマネジメント―社員を本気にさせる7つの法則』(PHP研究所)など多数。多くの企業、組織から研修講師などを務め、年間平均200本ものセッションをこなす人気コンサルタント。日本全国を飛び回る日々は続く。

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