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“キャリア力”をつければ仕事はもっと楽しくなる!
「のだみ流・働(はた)(らく)論!」

第7回 「Will」の発見(後編)

前回に引き続き、「Will」の発見について解説していきます。

「求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。成功の暁には名誉と賞賛を得る」。これは20世紀初頭、徒歩による南極大陸初横断を企画したアーネスト・シャクルトンという冒険家が、イギリスの新聞に掲載した求人広告です。

労働条件はありえないくらい最悪です。しかし、シャクルトンのこの呼びかけに、なんと5000人以上の男性が集まりました。なぜか? この仕事には、明確な「Will」があります。つまり、シャクルトンが企画したこのプロジェクトにかける「夢」や「志」に応募者たちは共感したのです。

自分自身の「Will」は簡単には見つけられない。僕はこの連載を通して何度も繰り返してきました。しかし、「共感」というキーワードを念頭において仕事を選択してみると、「Will」が見つかりやすくなる場合があります。

つまり、他者の「Will」に自分が共感できるかどうかを考えてみるのです。例えば、社会貢献を積極的に行っている会社、これまでにない仕組みを世に広めようとしている会社、少数精鋭で大企業に挑戦している会社……、現代は、家の中にいてもインターネットにアクセスすることで、いくらでも会社の情報を集めることができます。その情報にはさまざまな「Will」が表現されています。あなたはどんなメッセージに共感を覚えるでしょうか? その共感こそが自分の「Will」の片鱗です。

ただし、ここで注意。これは情報収集の鉄則ですが、会社情報に表現されていることと実際の姿にはギャップがあります。もしも共感できるメッセージを発信している会社を見つけたら、鵜呑みにしないで、もう一段階深い情報収集を行うことをオススメします。例えば、僕の友人はその会社の近所にある飲み屋で社員の会話に聞き耳を立てていました(笑)。

そして「Will」の片鱗が見つかったら、もうひとつ大切なことがあります。それは自分の「Will」を恥ずかしがらずに発信していくこと。決して「Will」は完璧である必要はありません。未熟な状態でいいのです。とにかく周囲の人に伝えましょう。そうすることで周囲もその「Will」実現に協力しやすくなります。つまり、あなた自身で情報やサポートを得やすい状況をつくりだすということです。僕の場合も、「大学で教えたい」「テレビのコメンテーターをやってみたい」などといろんな人に言い続けたことで、その夢が実現しました。もし発信していなかったら実現しなかったかもしれません。

さて、あなたは「心から共感できる」会社に出合えそうでしょうか? 自分の「Will」に出合えそうでしょうか? もしも出合ったならば「Can=職種」、「Must=労働条件」を考えるまでもなく、「Will」の主導を信じて動いてみてください。きっと幸せなキャリアが見えてきますし、「Can」も「Must」もいつか必ずついてきます。

さて、6回にわたってお伝えした幸せなキャリアを導く「Will」「Must」「Can」のマネジメントの考え方は、参考になりましたでしょうか?来週からは「なぜ働くのか?」という基本的なテーマについて考えていきたいと思います。

●Profile

野田 稔 (Minoru NODA)

多摩大学経営情報学部教授/(株)リクルート フェロー。

1981年、野村総合研究所入社。同社にて組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネージャーを勤める。経営コンサルティング一部長を経て、現職。 また、(株)アミューズに所属し、テレビ・ラジオ出演、著作・講演活動等でも活躍中。著書に 『やる気を引き出す成果主義ムダに厳しい成果主義』(青春出版社)、『コミットメントを引き出すマネジメント―社員を本気にさせる7つの法則』(PHP研究所)など多数。多くの企業、組織から研修講師などを務め、年間平均200本ものセッションをこなす人気コンサルタント。日本全国を飛び回る日々は続く。

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