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“キャリア力”をつければ仕事はもっと楽しくなる!
「のだみ流・働(はた)(らく)論!」

第5回 「Must」の縮小(後編)

  • 「自分の思い込み」をまず疑ってみる。
  • 「未経験だから……」という言い訳は今後一切しない。
  • ほとんどの「壁」は考え方次第で超えられる。

まずは前回説明した「Mustを縮小する方法」の順番をおさらいしておきましょう。

(1)「経済的Must」の客観的分析〜「いったい、いくら必要か?」の厳密な見積もり。
(2)「壁」の確認〜いろいろな思い込みを乗り越える。
(3)「本当のMust」を認識する。

今回はキャリアに制約を加えているさまざまな「壁」の乗り越え方と、「本当のMust」について解説していきます。

まず「年齢の壁」について考えてみましょう。これには二種類あります。ひとつめは「低めの壁」。つまり「自分はまだ若くて経験不足だから」と考えてしまうこと。もうひとつは「高めの壁」。これは「私はもう48歳だから」と年齢を理由にあきらめてしまうこと。中でも高く感じられるのが「高めの壁」です。確かに中途採用の応募資格を見ると、よく30歳未満とか書かれていますが、多くの場合、それほど厳密なものではありません。

例えば、あなたが企業の採用担当者であるとします。社長から「この仕事は若い人でないと難しい。すぐに補充せよ!」と言われたとしましょう。そして面接に現れたのは、まったく覇気の感じられない若者と、年配ですが礼儀正しくエネルギッシュな印象の人。あなたはどちらを採用するでしょうか? もしも「年齢の壁」があなたの中に存在しているなら、すぐに撤廃しておくべきです。

次は「キャリアの壁」。例えば、「医師国家試験に通っていないので医者になれない。年齢も48歳だから」という人がいたとします。これはそのとおりですが、そもそも医師国家試験に年齢制限はありません。僕としては、「本当に医者になりたいのなら、なぜ今から医学部に入り直さないのですか?」と言いたいのです。

「未経験だからできない」という言い訳は今後一切しないほうがいい。どんな赤ちゃんだって、生まれたばかりの時は歩いたこともなければ、ハイハイしたこともない。勉強だって仕事だって、最初はすべてが未経験からのスタートです。過去のキャリアにとらわれて、自分の中で見えてきた「やりたいこと」を封じ込めるのはたいへんな損失だと思います。

次は「学歴の壁」。今は、社会人向けのコースを用意している大学もたくさんあります。ただし、本当に学歴で差別をするような会社とあなたが出合ったなら、僕はきっと「その会社には行くべきではない!」とアドバイスするでしょう。

このほかにも「性別の壁」「住まいの壁」などいろいろな壁が存在していると思いますが、これをひとつひとつ「本当に必要かな?」と疑ってみましょう。すると、ほとんどの「壁」は乗り越えることができる、ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

そして仕上げは「本当のMust」。これは、食べることや寝ることのように、人間が生きていくために物理的に最低限やらなくてはならないことです。それに加えて、精神的に最低限やらなくてはならないと思うこと、つまり「この世に生を受けた以上は」と自分なりに義務感を感じることとは何かを考えてみましょう。

いかがですか? 論理的に「経済的Must」を縮小し、「壁」を乗り越え、「本当のMust」をしっかりと認識してみると、現在の仕事に対する考え方や将来の選択肢にも変化が現れてくるのではないでしょうか?

次週は、『幸せなキャリアを導く「Will」「Must 」「Can」のマネジメント』の最重要ポイント、「Will」を発見する方法と、その考え方を解説していきます。

●Profile

野田 稔 (Minoru NODA)

多摩大学経営情報学部教授/(株)リクルート フェロー。

1981年、野村総合研究所入社。同社にて組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネージャーを勤める。経営コンサルティング一部長を経て、現職。 また、(株)アミューズに所属し、テレビ・ラジオ出演、著作・講演活動等でも活躍中。著書に 『やる気を引き出す成果主義ムダに厳しい成果主義』(青春出版社)、『コミットメントを引き出すマネジメント―社員を本気にさせる7つの法則』(PHP研究所)など多数。多くの企業、組織から研修講師などを務め、年間平均200本ものセッションをこなす人気コンサルタント。日本全国を飛び回る日々は続く。

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