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“キャリア力”をつければ仕事はもっと楽しくなる!
「のだみ流・働(はた)(らく)論!」

第2回 幸せなキャリアを導く「Will」「Must」「Can」のマネジメント

  • 簡単には見つからない「Will」「Must 」「Can」の重なり。
  • 「Will」主導のキャリア形成を目指す。
  • キャリアの整理には順序がある。

今回は、キャリア整理をする際に頻繁に用いられる、「Will」「Must」「Can」という概念の説明と、そのマネジメント方法について説明していきます。

「Will(意思)」=なりたいもの、やりたいこと
「Must(義務)」=手に入れたいもの、やならなくてはならないもの
「Can(可能)」=できること

それぞれの概念はこのように説明できると思います。そして一般的にキャリア形成教育の現場では、「Will」「Must」「Can」の3つの領域が重なる領域を見つけ、それらが“重なる領域”を増やしていくことで、幸せなキャリアを築いていくことができるという考え方が提唱されています。

ただ、僕はこの考え方には疑問があります。言うのは簡単ですが、バランス良く“重なる領域”を見つけたり、育てたりすることは容易なことではありません。実際には、多くの人が(図2)のような構造の上に、自分のキャリアを築いているのではないでしょうか。

つまり、自分の中で巨大化した「Must」によって自分の仕事を限定し、「Can」は「Must」を目指した結果身についたスキルというだけで、「Will」にいたっては夢のまた夢。

具体的に言うと「住宅ローン」「子どもの養育」「世間体」「家族の期待」、そして自分はこうでなくてはならないという「自分像の思い込み」など、多くの「Must」がまず重くのしかかってきます。そして、「Must」によってせばめられた「Can」が、さらに自分の可能性を限定してしまうのです。

話は少し横道にそれますが、「あなたは何ができますか?」という問いに対して、「私は今の会社で経理をやっていたので経理ならできます」という答えは返ってきますが、「私は人付き合いがうまい方なので、営業もできるかもしれません」と答える人はほとんどいません。つまり、多くの人が所属した組織で要求されてきたものを自分の「Can」であると思い込んでいる。その結果、自分の中にせっかく「Will」の芽があったとしても、巨大化した「Must」と、自分の思い込みにせばめられた「Can」によって埋没してしまっている。

読者の皆さん、今の自分を分析してみてください。この構図に当てはまると感じている人が多いのではないかと思います。何を隠そう、昔の僕自身もそうでした。しかし、理想の「Will」「Must 」「Can」のあり方を探し続けるうちに、(図3)のような構造でありたいと考えるようになりました。つまり「Will」主導のキャリア形成です。まずやりたいこと、すなわち「Will」があって、それを実現するための「Can」を身につけた結果、「Must」は自然とクリアできていたというのが理想ではないかと。

しかし、この理想と現実の間には大きなギャップがありました。やはり「Will」を発見することが一番難しい。そこで僕は「Will」「Must」「Can」を以下のような順番で整理してみたのです。

(STEP1)「Can」の棚卸
(STEP2)「Must 」の縮小
(STEP3)「Will」の発見

読者のみなさんが本気で自分の“キャリア力”を強化したいなら、本コラムで提唱していきたい大切なポイントのひとつ「Will」の主導を信じることです。まず「Will」を明確にできれば、「Can」と「Must」は後からついてくると信じてほしいのです。

この自己分析を行うためにはいくつかのコツがありますので、次週より、それぞれのSTEPにおけるポイントをご紹介していきます。まずは、『STEP1:「Can」の棚卸』です。次週までに、できるだけ多くの「Can=自分はいったい何ができるのだろう」を、洗い出しておいてください。では、また来週!

●Profile

野田 稔 (Minoru NODA)

多摩大学経営情報学部教授/(株)リクルート フェロー。

1981年、野村総合研究所入社。同社にて組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネージャーを勤める。経営コンサルティング一部長を経て、現職。 また、(株)アミューズに所属し、テレビ・ラジオ出演、著作・講演活動等でも活躍中。著書に 『やる気を引き出す成果主義ムダに厳しい成果主義』(青春出版社)、『コミットメントを引き出すマネジメント―社員を本気にさせる7つの法則』(PHP研究所)など多数。多くの企業、組織から研修講師などを務め、年間平均200本ものセッションをこなす人気コンサルタント。日本全国を飛び回る日々は続く。

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