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編集記事

“キャリア力”をつければ仕事はもっと楽しくなる!
「のだみ流・働(はた)(らく)論!」

第1回 「転職負けず組」のススメ

  • 「勝ち組」ではなく「負けず組」を目指す
  • 固定化された勝利のイメージをアンインストールする
  • 巨大化した「自分像の思い込み」から自分を解放する

みなさん、初めまして。“のだみ”こと、野田稔です。今週から「キャリア力をつける」をテーマに連載を担当させていただくことにな りました。記念すべき第1回目は「転職負けず組」です。

「勝ち組」とか「負け組」という言葉をよく耳にしますが、それよりもこれからは「負けず組」目指しましょうということ。この「負けず組」という考え方を理解してもらえれば、より自分にフィットした転職の選択肢が見つかると思います。

ご存知のとおり、高齢層、若年層を含めて男性の自殺者が増えています。悲しいことですが事実です。自殺の理由は経済的なものが大半で、特に男性は「オレってもうダメなんだ」という無力感から自殺を考える人が多いようです。「オレは勝ってる」と思っている時は、営業成績が悪かろうが自己破産しようが自殺はしません。やっぱり「オレは負けた」って思った時に「生きていてもしょうがない」っていう気持ちになるのだと、僕は推測しています。

多くの自殺問題の裏側に、「勝ち組vs負け組」という考え方があったのではないかと思うのです。個人的には僕はその考え方が大嫌いで、少なくともそんなことを他人に決められたくはありません。

なぜ多くの人が、そんな悪しき比較論に陥るのか? 原因が二つあると考えています。

ひとつは、勝利のイメージが固定化されてみんなの頭の中にあることです。いつの間にか自分の中で固定化されてしまった勝利のイメージと、現実の自分を比較して、「自分の未来に勝利イメージが見えない」「このままの自分では絶対に到達できない」と思った時に、ものすごいつらさを感じてしまうことが「負け組感覚」の真実だと思います。

しかし、大企業に勤めることだけが勝ち組ですか? 出世すれば本当に勝ち組に入れるのでしょうか? 給料が高ければ勝ち組になるのですか? 固定化された勝利のイメージは、いたずらに「勝ち組vs負け組」感覚を増大して、どこかで自分を苦しめているのではないでしょうか?

もうひとつの要因は、「自分像の思い込み」。これは意外と盲点になりやすいのですが、自分はこうあらねばならないという自分像への要望が巨大化しすぎると、当然現実とのギャップに苦しむことになります。自分に対する要望が高いこと自体はいいことだと思いますが、それは本当に心から自分が望んでいることなのか、それとも、刷り込まれた勝利のイメージに背伸びして合わせようとしているだけなのか、いったん立ち止まって考えてみる必要があるでしょう。

お金持ちではないけれど、食うに困らない生活をしていて、自分の好きなことをやっていたり、素敵な仲間と一緒に同じ目標を追いかけたり……。僕はそんな人たちのことを「負けず組」と呼んでいます。僕の目から見ると、他人が規定した「勝ち組」に必死でしがみついている人よりは、彼・彼女たち「負けず組」のほうがはるかに幸せそうに見えるのです。

まずは、固定化された勝利のイメージをアンインストールすることから始めましょう。そして、巨大化した自分像への思い込みを少し小さくしてみましょう。それが「勝ち組vs負け組」を超えた、「負けず組」への第一歩だと思います。


次週は 『幸せなキャリアを導く 「Will」 「Must 」 「Can」 のマネジメント』 についてです。

●Profile

野田 稔 (Minoru NODA)

多摩大学経営情報学部教授/(株)リクルート フェロー。

1981年、野村総合研究所入社。同社にて組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネージャーを勤める。経営コンサルティング一部長を経て、現職。 また、(株)アミューズに所属し、テレビ・ラジオ出演、著作・講演活動等でも活躍中。著書に 『やる気を引き出す成果主義ムダに厳しい成果主義』(青春出版社)、『コミットメントを引き出すマネジメント―社員を本気にさせる7つの法則』(PHP研究所)など多数。多くの企業、組織から研修講師などを務め、年間平均200本ものセッションをこなす人気コンサルタント。日本全国を飛び回る日々は続く。

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